政府の腐敗、土地の不平等分配について歌い、
同時に教会への批判をも掲げる


 サムはベロ・オリゾンテで開催されているフェスティバルを訪れる。 彼のガイド役を務めるのは16 歳のホルヘだ。ベロ・オリゾンテ周辺 のスラム街は、サムがこれまでに見てきた貧困街と同様に悲惨なもの だった。しかしこの町は単に貧しさだけではなく、人種差別も大きな 障害となっているのだ。白人たちは土地を所有するが、先住民たち には土地がない。そしてラティーノたちは、その中間に位置する。 ブラジルは、ひどく分断された社会構造を持つ国なのだ。そんな ブラジルの沿岸に位置する町ベロ・オリゾンテから登場した、最も 意外性のあるメタルの金字塔。それがこの国で最も高い人気を誇る メタル・バンド、セパルトゥラだ。セパルトゥラの歌詞には、信心深い 政治的な内容が登場する。彼らはブラジルにおける無力化、政府の 腐敗、土地の不平等分配について歌い、同時に教会への批判を も掲げる。
 ブラジルとメキシコで、サムはミュージシャンとファンが今の社会 構造と世の中の経済パワーに対して反骨的な姿勢を抱いている現状 を肌で感じ取った。しかし、社会の分裂に宗教紛争が深く染み込ん でいた場合、一体どういう事態が起こるのだろうか?

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